mike_neckの隠れ家

プログラミングのこと期待した、残念、思想書とかの読書記録でしたー

儂が勝手に考えたコンパクトな陸上競技場

概要

日本の陸上競技場はでかい。これは前々から思っていることで、観客席からトラックまでの距離が10mくらいは離れている。

これは、サッカーからの要望で、走幅跳のピットをトラックの内側に作るのではなく、外側に作れという要望が入っているから。

トラックの外側に走幅跳、および棒高跳びのピットを作ると、どうしてもトラックとの距離が離れてしまう。

結果として、競技場そのものがでかくなる。

また、3,000m障害の水濠もトラックの外側に設置されるパターンがほとんど(内側にある日本の陸上競技場を知らないだけかもしれない)なので、これまた競技場を大きくする要因になっている。

実例より

例えば、長谷川体育施設が施工した瑞穂公園陸上競技場の上空からの写真を見てみる

www.hasetai.com

瑞穂公園陸上競技場

ここは8レーンの競技場だが、写真から見る限り、8レーンの外側から、観客席までの距離が目分量で8レーン分空いている。陸上競技場の1レーンの大きさは1.25mなので、8レーンで10m、したがって、8レーンからの距離が10mは空いていることがわかる。

一方、最近IAAF Diamond Leagueが開催されたモナコのStade Louis II競技場の写真を見てみる。

Stade Louis II – Vue intérieure | TousLesStades.fr- Stades de football et stades de rugby du monde entier

Stade Louis II

この競技場も8レーンなのだが、8レーンのすぐ外側に観客席がある。

では、この競技場、走幅跳棒高跳びのピットは内側にあってサッカーなどが開催できないのか?というと、そうでもない。

この競技場はASモナコのホームグラウンドとして使われている。

実際に上記の写真を見ても、サッカーの邪魔になるようなピットはない。

下記のサイトに掲載されているようにサッカーの試合が行われている。

www.asmonaco.com

AS Monaco

これらの幅跳び、棒高跳びのピットはどこに設定されているかというと、トラックの内側の角石、標石の間の曲線部分に横方向に設置されている。

このような設置方法を採用することによって、サッカーなどの球技にとっても邪魔にならない競技場をつくり上げることができている。

高跳びのピットはどうなるんだろうという心配はあるのだが…

幅跳び・棒高跳びのピット

ここまでで幾つかヒントが出てきているので、まず、幅跳び、棒高跳びのピットについて考えると、幅跳びと棒高跳びのピットはモナコひいては欧州の競技場のように、曲走路部分の内側に設置すべきではないかと思う。

これがトラックの外側にあるのとないのとで競技場の大きさが桁違いに変わるものとかんがえる。

水濠

さて、跳躍のピットの問題は解決したところで、さらに3000m steeplechaseの水濠の場所も見てみたい。

するとこのサイトが参考になる。

http://www.iaaf.org/news/news/world-athletics-final-day-two

3000m steeplechase

ご覧になってわかるとおり、水濠の外側にトラックがある。言い換えると、水濠はトラックの内側の角石、標石の間の曲線部分の内側に設置されている。

水濠の規格を見ると下記のサイトが見つかる。

陸上競技場公認に関する細則(PDF)

これによると、水濠の横幅は3.66mであるようだ。

水濠を外側に設置することで、3コーナーから4コーナーの曲走路はかなりのサイズの大きさになってしまうことが想定される。

以上から水濠は内側に設置すべきであると考える。


競技場の設計

さて、以上のコンパクトにするための配置なども考えた上で、日本の陸上競技場と欧州の競技場の根本的な違いの大元にあるのが、曲走路部分の設計手法の根本的な違いである。

日本の競技場で公認されている競技場のほとんど(というかたぶん全て)は単心円型の設計が行われている。

一方、欧州の競技場で観客席が近いタイプのものは三心円で設計が行われている。

それぞれの違いを簡単にまとめたい。

単心円

  • 設計・施工が簡単
  • サッカーなどの球技を行うことを考慮すると全体的な大きさが大きくなる
  • 日本で公認されている競技場の設計はほとんどすべてこのタイプ
  • 走りやすいらしい(真偽の程は知らんし、三心円の競技場であるStade Louis IIで女子1,500mの世界記録が出たことを考えると、そんなことはないのかもしれないと思うのだが、これは走ってみないとわからないし、海外のレースに参加した選手の感想を聞いてみたいところである)

三心円

  • 設計・施工が難しい
  • サッカーなどの球技を行う競技場としても使いやすい
  • 日本では設計・施工されたことがない(と思ったら、海老名の陸上競技場は三心円で設計された第三種陸上競技場らしい)
  • 欧州でよく用いられている

単心円と三心円の設計がどのようなものか、絵を書こうと思ったけど、今手元に幾何学で絵を書ける環境がないので、日本陸連の資料を参考にしてもらいたい。

陸上競技場と道路コース

サッカーもできて、陸上競技もできる設計となるとむしろ三心円の方が適しているのではないかと思ったりする


ねらい

こういう記事の狙いは本当は最初に書くべきである。しかし、新国立競技場の件がゼロベースからのスタートとなりネットで意見募集と言っているのだから、この記事を書くことに意味があるのではないかと思っている。

headlines.yahoo.co.jp

政府は30日、再検討中の新国立競技場の建設計画に反映させるため、インターネットを通じて国民から広く意見を募集する方針を決めた。

 建設計画の白紙撤回に至る一連の混乱では国民から大きな反発を招いたため、「幅広い意見に耳を傾ける必要がある」(内閣官房幹部)と判断した。

 政府はまた、専門家や識者らの意見も参考にしたい考えで、遠藤五輪相がアスリートから個別に意向を聴取する。遠藤氏を議長とする関係閣僚会議に建築家らを招いて助言を受ける案も検討している。

 新計画については、政府は総工費や競技場の仕様を早急に詰めて、9月にも取りまとめたい考え。このため、一連の意見聴取も8月のお盆前後までには終える方向だ。

日本人はよく『日本の技術』と言っているくらいだから、技術はあるんでしょう?だったら三心円の設計だってデキルはずだと思っている。

また、小さな空間に様々な要素を詰め込むお弁当の技術もあるわけだから、コンパクトな陸上競技場の設計もデキルと思っている。

それ以上に、今の日本の文化というのは、明治以降に欧州諸国の考えを独自吸収して発展させたところにあると僕は考えている。欧州で主流の競技場の設計手法を取り入れて日本独自(?)のお弁当の技術と混ぜ合わせるという陸上競技場設計そのものが日本らしい設計なのではないかと考えている。


為末さん

身近に使える競技場を目指してほしいとおっしゃっている。

tamesue.jp

為末さんいわく、カフェやらホテルやらそういった身近な施設を競技場の近くに設置することで陸上競技を身近にしようとのこと。

そのカフェやらホテルやらをどう設置するか。それがコンパクトな陸上競技場設計だと思っている。コンパクトに陸上競技場を設計することで浮くスペースにそれらの施設を併設すればよいと考えている。


コンパクトな競技場ふたたび

ダイアモンドリーグ2015の100m、ジャスティン・ガトリンが勝ったレースだが、その後の観客と選手の距離に注目して欲しい。

youtu.be

選手と観客の距離が近いことで、非常に楽しそうなコミュニケーションが行われている。

陸上競技をより身近にすること、それは選手とファンとの間に物理的空間を置くことではなくて、物理的空間を狭くすること、これが第一歩なのではないかと考える。

だから、僕は日本の陸上競技場をコンパクトに設計することを提案したい。


本記事で考慮しなかったこと

以下の点は考慮しなかった。陸上観戦のマナー、政治とかその辺、マスコミのあり方の問題だと思っていて、それは別途議論が必要だと思っている。

  1. テロ対策
  2. 女子選手に対する盗撮問題
  3. マスコミ専用ゾーン

以上、一陸上ファンからのぼやきでした。